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ロダン

 b0158023_1243286.jpg国際通りの裏手、住宅街にある喫茶店。いつ営業しているのかさっぱりわからないため、平日の朝に訪れると、まだ早い時間というのに客席はほぼ満席でした。
 場所が場所なので、自分以外は近所の常連さんばかりでしたが、マスターから「いらっしゃいませ」と元気に声を掛けられて、店の空気にスッと馴染むことができました。
 お客さんはほとんどが一人で来ている方ばかりのようで、タバコを吸ったり、新聞読みながらコーヒーを飲んだり、モーニングを食べたりと、思い思いのひとときを楽しんでいます。時折、マスターに話しかけるお客さんがいるも、店内は静かなものでした。
 店の客席側には大きな窓がありますが、全体に褐色のレースカーテンが掛かっています。そこから差し込む朝の光が美しく、雰囲気がありました。
 その後2回ほど朝の時間に訪れましたが、やっぱり混んでいて、座るのはいつも同じ席でした。
 時間帯を変えるため、ある日の週末に訪れると、お客は誰もいませんでした。朝は常連客で必ず埋まっている席に初めて座りました。いつもとは違う場所から店内を見渡すと、あることに気付きました。
 天井には分厚いガラスがはめられた変わった形のシャンデリア。壁紙は凸凹でエンボス加工がされていました。カウンターには「考える人」の像も。そうか、これが店名の由来なんだなあ。
 その日は暑かったので、何もせずぼんやりとして涼んでいると、やがて、窓ガラスに人影が差し込み、新たなお客さんがやってきました。マスターとおしゃべりを始めたのですが、途中からお客さんの方がマスターの聞き役になっています。朝の様子から寡黙なマスターだと思いこんでいたので、ちょっと意外でした。

 ロダンの看板を見ていて気になることがありました。照明看板はロバート・ブラウンのロゴ。店のメニューに現在、アルコールはなかったはずです。開店当初、ロダンはお酒を出すスナック喫茶として出発していたのでしょうか。ちなみに、ロダンのすぐそばにキャラバンコーヒーのロゴが入った看板を掲げた喫茶店がありますが、現在そちらはカラオケ喫茶となっています。それぞれの店舗は開店当初から時間を経て、店のジャンルが変わってしまったようです。

モーニング(トースト、ミニサラダ) 400円
台東区竜泉3丁目
朝7時頃~
土曜日は営業、日祝休みのようです。

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by matsutakekissa | 2011-10-14 22:24 | 台東区山 | Trackback | Comments(0)  

パン キムラヤ 茅場町

 都内各所に「キムラヤ」という名前のベーカリーは存在します。あんぱんで有名な銀座の木村屋総本店から派生しているのかは分かりませんが、何か関係はありそうです。その他、和菓子屋の「伊勢屋」とか、中華・洋食の「三好弥」なんかもいろんな所で見かけるので、気になる名前です。
 
 茅場町のキムラヤでは、早朝からパンと弁当を販売しているため、近場のオフィスで働くお客が次々と入ってきては、ドッグパンやサンドイッチを買っていきます。
 奥には4、5席ほどのカウンターがあり、イートインスペースになっています。買って帰るだけなら、何の躊躇もないのですが、あの席に座るのは難しそうでした。どうやら、そこに立ち寄るサラリーマンは、ほぼ皆顔なじみの人ばかりのようで、席が空いているタイミングでないと、「飲んでいきたいのですが」の一言が言いづらい。
 でも、ある日の朝、思い切って、声をかけてみました。レジ担当のおばさんは「コーヒーでよろしいでしょうか?」と聞きました。コーヒー以外の飲み物はほとんど出ない(あるいは出してない)のかもしれません。
 奥の厨房に向かっておばさんが声を掛けると、鼻歌まじりのおじさんが登場し、コーヒーを淹れてくれました。
 カウンターの席に座りました。こちらにもドリンクのメニューは特になく、キーコーヒーの保存缶とブルックボンドの紅茶保存缶が、棚に載っていました。
 「スポーツ紙しかないですが、どうぞ」とおばさんが新聞を置いてくれると、「こっちのほうがいいんじゃないか」と、おじさんのほうが女性週刊誌を出してくれたり、などと、色々と世話を焼いてくれます。おじさんは人好きのするタイプで、常連客と会話をかわしたり、自分にも話しかけてきてくれて、緊張の糸がようやくほぐれました。
 一通りの作業が終わると、おじさんは調理の続きがあるのか、奥へ引っ込んでいくのですが、新たなお客が来ると、また、鼻歌をうたいながら登場。それにひきかえ、おばさんはレジ担当なので、客がいてもいなくても、ずっと入口近くのカウンターに立っています。そして、計算も速い。商品の値段をすべて憶えているようで、暗算で合計金額を出して、お客をさばいていくのです。こういう連携プレーを見ているのは、なんだか楽しい。こちらは喫茶店ではないのですが、それに似た雰囲気がありました。慌しく食べて飲んで帰りましたが、充実したひとときでした。

コーヒー 250円
サンドイッチ、惣菜入りのドッグパンは160円くらいからでした。
中央区日本橋茅場町3丁目
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by matsutakekissa | 2011-10-13 21:44 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)  

あたらしい出会いをもとめたけれども

以下、ねむたい内容で、だらだらと書いています。オチらしいオチもありませんが、ご容赦を。

 週末の半日を使い、スカイツリー周辺をゆっくりと散歩することにしました。浅草から押上、八広まで歩き通すつもりで、アサヒビール本社の前から出発。
 この日は天気がよかったのですが、ツリー見物の人出がやや減ったように感じました。もちろん建設前と比べればずっと多いのですが。道路も混雑が緩和されていて車の流れはスムーズでした。
 清澄通り沿いにある喫茶『珈生園』に入りました。観光客や地元の人がきっといると予想していましたが、他のお客はだれもいませんでした。
 ホットコーヒーに生クリームを落としてもらい、さらに自分でコーヒーミルクと砂糖を入れてダブルミルクコーヒーを楽しみました。涼しくなると、こってりしたコーヒーがおいしく感じられます。
 会計時、マスターから「ツリー見物ですか?」と訊かれ、少し立ち話をしました。
 「なんか人出が減ったような気がするけど、どうですか?」と尋ねると、震災以降は全然ダメ、とのことでした。すでに大方の建造が終了し、これ以上塔が高くならないから客足が減少したかと想像していたのですが、影響は今も続いているのでした。
 その後話題はスカイツリーに移りました。
 「けっこうしますよね、入場料3000円でしたっけ?」「いいえ、予約で500円かかるんですよ。だから3500円です」
 びっくりしました。予約券って、ふつう入場料より割引されるものではなかったっけ?それとも、開業記念のお土産でもつけてくれるだろうか?
 「地元の人はタダで招待、ってのはないんですか」と訊くと、「ないない」と苦笑いしておっしゃいました。地元の商店街の物価と入場料とを比較しても、ちょっと落差が大きい気がする。六本木ヒルズと麻布十番商店街のような相乗効果があればいいけれど、どうなんだろう。

 四ツ目通りの交差点を通り過ぎ、そのまま大通りを進んで十間橋のたもとまで来ました。ここは有名なツリー撮影スポットでした。橋の上の通路は面白いことになっていて、一方は観光客ばかりで、もう一方は地元の方ばかりです。なぜなら、スカイツリーに近い方で撮影をするためで、通路がふさがれていて、反対側は地元のおじいさん、おばあさんたちが通り過ぎていくのでした。
 十間橋通り商店街は、通りの裏手にあるキラキラ橘商店街とは異なり、いたって静かなものでした。閉めている店舗が多いこともあり、普段ならやかましく感じられるパチンコ店の音すら、あってよかったと感じられるようなBGMに聞こえます。賑やかな方へ行っておけばよかったかと思いましたが、すでに閉店した商店の看板のみがそのまま残るさびれた風景を眺め歩くのも、なかなか悪くはないと思いました。よく見れば最近開店したと思われる新しいカフェやそば屋さんもありますが、古い建物をそのまま使っているため、知らなければそのまま通り過ぎてしまうような感じです。

 明治通りと合流する通りに入りました。ここへきてようやく、大回りをしていることに気づき、ひたすら早歩きになりました。京成曳舟駅の踏切を越えてすぐの交差点を右折し、北東へ進むと周辺の風景は郊外らしくなり、店舗も国道沿いにあるような大型店が進出しています。ただ、途中で見かけたガソリンスタンド名は「寺島町」という旧町名が使われていることに気が付きました。道路沿いには、それほど距離をおかずに公園が3つもあるので、不思議に思いながら通り過ぎました。
 八広駅に近い交差点で左折し、水戸街道近くのコーヒー&ラーメンの店『フクトミ』の看板が見えてきました。やれやれ、ようやく目的地です。
 前回、夏の暑い日に訪れた時はアイスコーヒーしか飲む気になれなかったので、涼しくなったらラーメンを食べに行こうと思っていました。イス10席の小さな店内ですが、メニューはヤキメシ、ラーメン等の軽食にコーヒー、ソーダにこぶ茶などのドリンクメニューが揃っています。
 ここまで一気に歩いてきたので、やや疲れていたのですが、お店の方には寒そうな顔に見えていたようで、「食べればあったまるわよ」という声とともに、どんぶりがさし出されました。
 帰り際、コーヒーとラーメン、どちらをメインで営業しているのかを聞こうと思いました。「看板にコーヒー、ラーメンとあるのですが」と尋ねると、質問の仕方が悪かったのか、「コーヒーとラーメンの間に点があるでしょ」という答えが返ってきました。ええと、そうではなくて、コーヒーとラーメン、どっちがメインでやっているんでしょうか?と改めて尋ねると、うちはもともとラーメン屋です、とのきっぱりとした返事が返ってきました。出前注文が多かったので喫茶メニューを加えたとのことでした。
 そう言われて店内を見渡すと、厨房には中華なべやフライパンが複数掛かっているし、お冷はいただいたけど、灰皿は出てこないことに気が付きました。
 店を出た後、東向島の商店街にも中華料理なのにコーヒーも出す店があることを思い出しました。喫茶店で軽食メニューとしてラーメンを加えた、という答えを期待していましたが、あてが外れてしまいました。勝手に想像した自分が悪いのだけれど。ドリンク注文だけでもOKだったので、自分の解釈にとどめておけばよかったかもしれないと、聞いてしまったことをすこし後悔しました。
 いろは通りを通って東向島駅に向かっていくと、玉の井という名が入っている店舗を目にしました。自分にとって「たまのい」という響きで連想するのは「タマノイ酢」であって、お雪さんの出てくるあの小説ではありません。「あぁ、ここがかの舞台の地か」という感慨深い気持ちになれないのが残念なところです。
 商店街のなかほどには確かシベリアを売っている古びた店があるはずでしたが、見当たりません。何度かいったりきたりして、建物のあった場所が更地になっていることに気付きました。
 思ったより新しい発見がなく、このまま帰ってしまうのも、もの足りません。でも、時間もあまり残されていないし、疲れてしまった。電車に乗り込み、浅草へ戻ります。
 喫茶店に寄る時間もないので、大通りを渡ってすぐの裏通りにある珈琲豆販売店「富士珈琲商会」に行くことにしました。珈琲豆にはあまり詳しくなく、普段うちで飲むのはインスタントなので、豆のよしあしや好みなどさっぱりですが、こちらの店は焙煎が浅めの種類があって、あっさりしているように思えます。巷では深煎りでコクのある濃い味が流行りなのかもしれませんが、自分の好きな喫茶店で出されるコーヒーの味に似ているような気がして、好きになりました。
 場所柄、近所の飲食店からの注文が多いようで、豆を挽いてもらう間にも近所の喫茶店の人が品物を取りに来ていました。店のご主人は物腰がとてもソフトで、豆を挽き、袋づめする一連の動作の間、一言、二言おしゃべりしていると、自分もゆったりとした気分になります。
 味とか雰囲気ではなく、店の方の人柄を好きになる=満たされた気持ちになる。これが自分の行き着くいつものワンパターンだと、最後に気が付きました。
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by matsutakekissa | 2011-10-06 12:50 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)