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アマンド

b0158023_0582498.jpg 待ち合わせ場所の代名詞的存在、アマンド。とある人からアマンドに関するエピソードを聞いて以来、親しみを感じるようになりました。

 ある人が六本木のアマンドで待ち合わせをした時のこと。相手がいつまで経っても現れず、いらいらを募らせていると、電話がかかってきたそうです。
 「アマンドってどこにあるの? 辺りを探したけど見つからなかった。アーモンドっていう店ならあったけど」
 看板を思い出してみると、たしかに「ARMOND」という文字は、「アーモンド」となら読めますが、「アマンド」とは読めません。
 それ以来、私もひそかにアマンドのこと、「アーモンド」と呼んでいるのです。他人にきかれたら恥ずかしいですが・・・。
 
 話かわって、「青山霊園の近くに、ちょっと変わった感じのアマンドがある」という情報をもらったので、行ってみることにしました。場所は西麻布交差点から外苑西通り沿いに歩いて数分の場所にあります。植え込みの陰にひっそりと佇むかのようにあるお店で、六本木や銀座のアマンドとはまた雰囲気が異なる印象を持ちました。
 店名の「霞町店」というのは、この辺りの旧町名のようです。このあたりの地理に疎い私は、霞ヶ関の近くかと勘違いしてしまいそうです。

 こちらのお店は客席数も15~20席程度とあまり多くなく、店内の雰囲気も都内にある他のアマンドの店舗と比べて、ちょっとだけ古びた印象でした。深緑色のリノリウムもやや色あせて光っています。2階にも客席があるようですが、今の時間帯は使用されていないのか、階段の電気は点いていませんでした。

 コーヒーと定番のリングシューを注文しました。実はアマンドではケーキ類をまだ食べたことがありませんでした。
 しばらくして運ばれてきたシューにはナイフとフォークが添えられていました。ジュースをストローで飲む時の、よそゆきの感覚です。コーヒーカップも他の店舗では見たことのない、厚手の白磁に金のラインが入ったものでした。

 しばらくすると、新しいお客さんがやってきてお店の方と談笑していました。どうやら常連さんのようですが、カウンターと客席が近いからこそ、こういう会話も生まれるし、親近感もあります。そういうところも、自分が知っているアマンドとは雰囲気がちがって、楽しい体験でした。

 さて、今度は銀座店にも行ってみました。日比谷店、新橋店(閉店)は知っていますが、改めてよく見ると2階席もあって広そうです。ピンクの花びらの飾りが付いた照明器具、2階席の柵の部分、1階席のピンクのビニールレザー張りの籐椅子など、小物のところどころに今時のスタイリッシュではないかわいらしさを感じました。

 窓際に座っているお客さんのコーヒーカップが真っピンクのアマンドカラーだったので、あのカップでコーヒー飲んでみたい!と思いブレンドを注文しましたが、こちらは残念ながら別のカップでした。
 後日、改めてドリンクの種類を変え、カフェ・オレを注文したところ、例のピンクのカップが出てきて、一人勝手に満足しました。
 ちなみに、オリジナルの会計伝票もかわいらしいです。

アマンド霞町店
港区西麻布1丁目 ブレンドは500円+税
後でアマンドのHPを閲覧してみると、こちらのお店は本社と同じ住所でした。
アマンド銀座店
中央区銀座6丁目 ブレンドは580円+税
※あやふやな記憶で下手な絵を描きました。すみません、実物は撮影できなかったのです。
<補足>歌舞伎町の元・コマ劇場のそばにある「アマンド新宿店」では、霞町店の白いカップも銀座店のピンクのカップも使用されているもようです。【2010.2.14】
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by matsutakekissa | 2011-01-30 19:01 | Trackback | Comments(0)  

瀬羅夢

 JR浅草橋駅西口徒歩3分の裏通りにある喫茶店。これまで何度か入店を試みましたが、やってなかったり、入ろうとすると、入口付近に車が停めてあったり、店の前が工事中だったり。そんなもん気にせずに入ればよいのだけれど、初めて入る店はいつでも気構えてしまい、小さなことに気持ちが左右されてしまいます。

 で、昨年の梅雨入りのある朝、ようやく入ることができました。外観も内装も珈琲店というよりスナックに近いものがありましたが、何より強烈なのはお店のママのキャラクターでした。「いらっしゃいませ」と元気な声に迎えられ、一つだけ空いていたテーブル席に座りました。
 15人も入れば満席になりそうな大きさで、お喋り好きの常連さんが集うお店ですが、店のママさんは元気で愛想がよく、一見にもわけへだてのない接客なので、風通しのよい雰囲気です。
 モーニングはトースト3種類(たしか、ハム、チーズ、ジャム&バターでした)に、ドリンクがついてきますが、このお店のすごいのは、おかずがバイキング形式で食べられ、さらにみそ汁がついてくること!
 カウンターには大皿や鉢に盛られたおかずが所狭しと並べられ、どれも美味しそうです。冷やしトマト、ウィンナー炒め、お新香から、みょうがと青じそを挟んだはんぺんサンドや、ナスの揚げ浸しなどの凝ったおそうざいまで、7、8種類もありました。ここで毎朝食べられるお客さんは幸せだなあ。
 8時になると、それまで民放を流していたTVは、NHK総合に切り替わりました。「ゲゲゲの女房」は、この店でも大人気。ヒロインなどの人物が何か言うたびに、合いの手と笑いが入るくらいです。
 壁には養生訓のようなものが貼られていましたが、ここのお店のママさんや常連さんのように、毎朝早起きで、よく笑い、喋っていることこそ、健康のひけつなんでしょうね。

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モーニングサービス 350円 コーヒー 350円
台東区浅草橋5丁目
朝は確か5時台から営業しているとお聞きしました
土曜日も大体営業しています。日曜祝日営業はたぶんお休みです。
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by matsutakekissa | 2011-01-24 12:53 | 台東区山 | Trackback | Comments(0)  

昭和初期・新宿カフェ街

 『琥珀色の記憶』(奥原哲志 著、河出書房新社刊、2002年)という本は、喫茶店好きでその歴史を調べたいと思った人ならご存知の方も多いのではないでしょうか。そして、その本を読んだ後、新宿歴史博物館に足を運んだ人も少なからずいるのではないかと思いますが、私もその1人です。
(以下、昨年春の出来事なので、記憶違いの部分もあるかもしれません)

 本の内容は明治以降の日本の喫茶店史がコンパクトにまとめられた歴史教科書的なものです。また、本の前半では戦後の新宿に存在し、一時代に名前を残した喫茶店「ふう月堂」「青蛾」などが取り上げられています。
 著者は新宿歴史博物館に勤務していた学芸員の方で、どうやら、2000年に開催された企画展「琥珀色の記憶―新宿の喫茶店」がきっかけで、本書の出版に至ったようです。
 史料や写真の中には「新宿歴史博物館蔵」というキャプションが入っているものもあり、実物を見に行きたくなりました。もしかすると、特別展の史料の一部は常設展示されているかもしれない、と期待もしました。しかし、あれやこれやと予定は延び延びで、昨年の春先にやっと訪れることができました。

 博物館は四ツ谷駅から歩くこと10数分で、住宅街の中にひっそり佇む博物館でした。
 常設展示の構成は縄文時代、中世、江戸、昭和、文学作品における新宿となっており、急ぎ足だと15分くらいで見てしまえそうな規模です。目当ての昭和時代だけしっかり見て、他は流してしまおうか。ところが、博物館案内ボランティアの方に声を掛けられ、展示の前半を解説してもらう流れになりました。
 最初は、正直時間がかかりそうで「めんどうだなあ」と思いましたが、決して団体旅行の添乗員のごとき立て板に水の口上ではなく、あくまで展示への理解をサポートするような解説で、思わず聞き入ってしまいました。色々なお話の中では、博物館建設の際に出土した用途不明の地下室の謎に、特に興味をそそられました。

 さて、ようやく昭和の展示にたどりつきました。新宿は関東大震災以降、今のような街に変貌していったそうです。新宿の中心部はもともとは四ツ谷に近いエリアでしたが、震災後は現在の場所に移転しました。震災は人びとの生活圏を東京西部の郊外に移すことになりました。そして、新宿駅は郊外から中心部へ、また中心部から郊外へ移動する人々のターミナル駅として、現在のように発展していったそうです。
 当時新宿駅前にあった店舗の地図には、東京パン、中村屋、二幸、ほてい屋、三越、伊勢丹などの屋号が記載されていて、自分の記憶の中の現代地図と比べてしまいました。
 そして、展示の最後にあったのが、新宿・昭和10年頃のカフェ*街でした。当時のカフェのマッチが、店のあった場所を示す地図とともに展示されていて、当時のカフェの一軒(カフエー麗人館)が模型になっていました。
 模型の前にあるボタンを押すと、ディック・ミネの「ダイナ」が流れ出しました。建物外観はまるで日本家屋の旅館か料亭のようでしたが、店内は西洋風で、ソファとテーブルが並んでいます。2階建の建物の1階部分には、白鳥が泳ぐ池もあり、着飾ったご婦人が殿方とお酒を楽しんでいる様子が表現されていました。給仕の女性は着物姿で髪を結い上げ、白いエプロンを付けていて、こちらも建物と同じ和洋折衷の姿でした。
 全体的に現代の喫茶店というよりはダイニングレストランやカフェバーに近いようで、豪奢な建物を見ると、現代の喫茶店よりも気軽に入れる雰囲気ではないようです。
 75年前の街や人々の風俗はやはり遠い昔のできごとに思えます。実際はそんなに昔々でもないのに、どうしてだろうか。年配者からは、戦前と戦後で街も人も、大きく変わったとよく言われますが、そのせいもあるのかもしれません。

新宿歴史博物館
新宿区三栄町22番地 9時半~17時半 第2・4月 休
(現在工事のため2011年1月末まで休館中)
※『琥珀色の記憶』の著者、奥原哲志さんは、現在、鉄道博物館の学芸員として在籍されているようです(新宿歴史博物館ホームページより参照)
*当時の表記に倣い、「カフエー」という表記もあるようですが、博物館内販売の資料の通り「カフェ」としました。
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by matsutakekissa | 2011-01-18 12:56 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)  

紙風船

 年が変わっても、まだ半年前の内容をアップするかで悩んでいます。昨年の撮影問題以来、ブログを書こうとすると、すっかり白けた気分になってしまうことがあり、一度その考えにはまるとなかなか抜け出せません。かといって気にしすぎる自分を俯瞰すると馬鹿にも思えますが、やはり万事においてバランスは大切です。
 街中の喫茶店というささやかな存在を大仰に表しすぎないよう、ひかえめなサイトでありたいと思っています。


 駒込駅東口から続くさつき通り商店街にある喫茶店。数年前までは看板の褪色が激しく、営業中かどうかかもよくわからない店だという記憶がありましたが、久しぶりに通りかかると、看板が新しくなり、店内も改装されているようだったので、入ってみることにしました。
 店内は外観と同様に改装されていましたが、創業時の雰囲気を残しているかのようなつくりが随所にみられました。微妙な段差があるのもそのひとつで、視線が遮られ、寛げる空間になっています。テーブルゲーム台も残っていて、スタンバイ中のメロディが小さく流れていました。
 4人掛けのテーブルがメインですが、昼前の中途半端なこの時間、店内はグループ客1組に、1人客が3、4名。1人客は新聞片手にコーヒー一杯の人がほとんどだったので、あまり気がねせずに、自分も4人掛けテーブル席に腰掛けました。
 席についてまもなく運ばれてきたお冷のグラスが、湯飲み茶碗サイズに花柄の可愛らしいもので、無色透明のグラスばかり見慣れた目にとっては新鮮でした。
 メニューを見ると、朝はモーニング、昼はランチ、夜のセットメニューもあり、置いてある雑誌や新聞の種類も多く、夜間・土日営業で、いつ訪れても使い勝手がよさそうです。
 後日、夜の時間帯に訪れて、初めてマスターから話を伺うことができました。「ブログ見て来たの?」と聞かれて、「そうではないですが」と答えたところ、最近はネットの評判を見てくる人もけっこういるのだとか。サイトはお店オフィシャルのではなく、お話によると、近所の女子大生のお客さんによるものだそうです。
 マスターの話によると、お店は創業25年で、一時期他の人に経営を任せていたらしいのですが、その後、自ら店内の内装を一新して経営を続けているそうです。店の奥に飾ってある、ネコが紙風船で遊んでいるドリーミーなタッチの画はオーナーの友人が描いてくれたのだとか。店の雰囲気を象徴するような画で、素敵でした。

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北区中里2丁目
朝7時~夜10時
水曜休
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by matsutakekissa | 2011-01-12 12:39 | 一本マツ | Trackback | Comments(0)