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メイ

 毎日が流れるように過ぎていき、この間コートに袖を通したと思ったら、もう師走が迫ってきました。
 毎年のように、「ぼやぼやできない」と思う今日この頃です。

 東京証券取引所そばのストライプのビニールひさしの喫茶店。最初は喫茶店かどうかもよく分からなかったのですが、丸くて赤いドアの取っ手、モーニングの値段が書かれた札と、営業中の札が掛かっていたため、反射的に店内に入ってしまいました。
 店内はコーヒーとタバコの香りにつつまれていました。手前にはカウンター、奥には黒いテーブルとイスが整然と並び、意外と奥行きの広いことがわかりました。
 ひげをはやしたマスターが、お冷やとおしぼりを持ってきてくれました。ちょっと微妙な表情だったので、降って湧いたように現れた自分は、ひさしぶりの見知らぬ客なんだろうなと思いながら、モーニングセットを注文します。
 コーヒーはネルドリップで淹れたのを温め直されて出てきました。ゆで卵は見た目がLサイズくらい。ゆで具合が絶妙で驚きました。
 奥の席には3人ほど先客がいて、思い思いに朝のひとときを楽しんでいました。
 一番奥にTVがあるため、そっちを向いて座りましたが、TVより気になったのは、窓の外の高速の高架下の風景と、そこを歩く人の足でした。高架下が駐車場になっているようなのですが、あちらのほうが高い位置にあるので、足ばかりが目につくのです。なんだかアジトみたいだな。

モーニングセット 390円(コーヒー、ゆで卵、トースト付)
中央区日本橋兜町
※朝7時半か7時から営業と思われます。
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by matsutakekissa | 2009-11-30 22:17 | 中央区山 | Trackback | Comments(0)  

ばじりこ

 歌舞伎座の裏通りにある喫茶店。周辺には朝から営業している喫茶店が何軒かありますが、こちらの店には誰もいませんでした。
 ドアを開けると、少しお洒落な雰囲気のあるこじんまりとした店でした。床も壁も板張りで、歩くとギシギシという音がしました。入ってすぐのつくりつけの棚にスリムタイプの公衆電話が置かれていましたが、ずいぶんスペースが余っているので、昔はピンクの大型公衆電話が置かれていたのかな、と考えてしまいました。大きくとられた窓から差し込む光がきれいです。
 店名からパスタ専門店なのかと思っていましたが、メニューにあるのはイカスミスパとかジャンバラヤとか。砂糖はざらめと白砂糖の2種類が置かれ、ストレートコーヒーのメニューが多いので、珈琲専門店のようです。
 店内があまりに静かなので、ちょっと落ち着かないながらも「まあそのうち、誰かお客が来るだろう」と思っていましたが、結局その後20分は誰も訪れずじまい。マスターがサラダを作る包丁のトントン、という音ばかりが響いていました。
 1つのプレートに載ってきたのは、コーヒーとサラダとトースト、それにコンソメスープ。なぜか最もおいしかったのはスープでした。きっと、ランチセットにも付いてくるのだろうな。
 値段も味も悪くないのに、一体どうしたことだろうと、さみしく思いながら店を後にしました。

モーニングセット 500円
中央区銀座3丁目
朝7時半か8時~
定休日未確認
 
 
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by matsutakekissa | 2009-11-26 22:57 | 中央区山 | Trackback | Comments(0)  

プライド

 先日、酉の市に行ってきました。ここ4年は身近な人のご不幸に重なっているため、日々の生活はもちろん、祭りなんぞ本来は控えるべきなのですが、楽しみにしている行事なので、少しだけはその空気を感じに訪れています。

 祭りといえば、屋台めぐりが楽しみのひとつですが、この1年、都内の大きな催し物で時々見かけていた、気になる出店がありました。「インディアンソーセージ」という暖簾が張られた屋台の下では、コックスーツに身を包んだおじさんが、自信ありげに鉄板でソーセージをひたすら焼いていて、他の屋台とは一線を画した雰囲気です。
 1本(400円)購入すると、味付けされた骨付きフランクで、特にどうということはありませんが、あのおじさんの姿があまりに堂々としていて、とても印象に残っています。

 そのおじさんを見ていて思い出した店があります。きちんとした店なので、本当は比較するのも失礼なのですが。
 千束3丁目にある「せんわ通り」商店街。酉の市では屋台が並び賑わうこの通りも、普段の平日は人通りすくなく、ひっそりとしています。「名物カツ専門店」という看板が掲げられた「日の出」は、周囲の店が閉まった後でもまだ明かりがついていました。
 カツ専門店というよりは食堂のような外観で、ショーケースにはオムライスやエビフライ、コーヒーカップの見本があります。入ってみると、10人も入れば満席の小さなお店でした。
 店を切り盛りするのはおばさん1人。メニューにはカツを筆頭に洋食メニューが並びます。各メニューにはコピーが添えられ「お子様に人気」のハンバーグライス、「本場ナポリの味」のナポリタンもおいしそうでしたが、無難にトンカツを注文しました。それと、コーヒー。
 注文するとすぐ肉を叩き始めてこしらえて下さいました。待つこと20分、出てきたのはカラリと揚がったトンカツとライス。みそ汁とおしんこ付き。
 食べてみてやっと気づいたのは、この店のトンカツは家庭の味でも食堂の味でもなく、洋食のカツの味だったということです。とてもおいしかったのですが、和定食のカツを想像していた自分にとっては意外でした。
 店を出る時、額に飾られたたくさんの手紙や写真について質問したところ、その謎が解けました。
 この店のおじいさんは、帝国ホテルのシェフをしており、村上信夫さんが後輩だったそうです。黄ばんだ欧文の手紙は帝国ホテル時代に大使館関係やシェフ仲間から貰ったもので、とても大切にしているようでした。
 「息子は皆料理人になっちゃって。だからこの店はすっかり見捨てられちゃった」、とおばさんは少し自嘲気味に語りました。この家に嫁いで50年とおっしゃるおばさんは、まだまだお元気そうにみえますが、「4年前に足を骨折して、コックスーツが着れなくなった」と、普段着の姿を少し恥じていました。
 店の雰囲気に加え、三角巾にエプロン姿からはコックスーツが全く想像できなかったのですが、名コックを輩出している家のプライドというものが感じられて、つくづく外観で店を判断してはいけないのだと思い知らされました。

※洋食「日の出」 台東区千束3丁目・せんわ商店街 夜9時頃まで営業。
 
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by matsutakekissa | 2009-11-22 23:05 | エトセトラ | Trackback | Comments(2)  

モデル

 横浜・石川町駅北口界隈。賑やかな元町通り商店街から川を越えていくと、寂れた雰囲気が際立つように感じられました。
 競馬でしくじったのか、昼間からワンカップをあおるおじさんとすれ違いました。この辺りを歩くのは地元の人ばかりでした。
 駅前という好立地に建つ喫茶店は、壁に堂々と「純喫茶モデル」と書かれています。カフェ流行りの頃に看板を「カフェ」の文字に書き替えることもなく、開店時からこのままだったのでしょうか。
 店はビルの2階にあります。階段を昇って入ってみると、意外にも広々とした空間でした。4人掛け各テーブルはボックス席のように、レンガ積みの壁で仕切られ、ゆったりしています。少しくすんだ黄色のソファ、ひまわりのような柄のタイルが貼られたテーブルが、珍しく感じられました。
 窓際の席に腰掛け、外や窓の下を見下ろすと、ちょっとした優越感を感じます。さっきまで、この窓のすぐ下にいたのに。
 駅前のまばらな人通りに比例して、この店の店内もお客がまばらで、店も人もこの広さをもてあましぎみなのが心残りでした。いい店なのに。

コーヒー 400円
神奈川県横浜市中区吉浜町
定休日不明
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by matsutakekissa | 2009-11-20 23:57 | 旅編(東京都以外) | Trackback | Comments(0)  

若生

 浅草・六区ブロードウェイ。週末ともなれば競馬客がたむろする界隈。ロック座の左隣2軒目に白いのれんの掛かる喫茶店があります。
 木枠の引き戸と窓格子、ビニールひさしの代わりに瓦を使用した軒先。その外観は、甘味処か和風喫茶店。雑多な雰囲気のある周囲にあって、凛とした趣の店構えでした。
 まるで他とは敢えて調和を整えていないこの外観は、よほどのこだわりがあるのでしょうか。それで長らく敬遠していましたが、ある日、店先の段ボール箱の中に座っていたトラネコに釣られ、店に入ってしまいました。
 店内は意外にも普通の喫茶店という内装で、外観からの予想は見事に裏切られました。合板の壁に革張りのカウンターチェア、カウンターにはキーコーヒーの青缶が並べられていました。
 競馬中継のかかる店内でしたが、競馬客らしき人は見当たりません。それもそのはず、伝票の裏には「競馬中継中は1時間以内でのご利用をお願いします」という但し書きがあったからです。いくら、ウインズの斜め向かいという好立地とは言え、ちょっと厳しい。
 とはいえ、丁寧に淹れられたコーヒーはマイセンだったかニッコーだったかのブルーオニオンのカップに注がれて、ちょっとうやうやしく出てきました。

コーヒー 500円
台東区浅草2丁目
朝9時頃~夕方5時頃
定休日不明
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by matsutakekissa | 2009-11-18 21:35 | 台東区山 | Trackback | Comments(0)  

喫茶 ふうりん 千住大橋

 先日、靴工場の在庫一掃セールに誘われ、千住大橋を訪れました。電車を乗り継いで訪れたのは、北千住の南エリア。悪天候にも関わらず、駅から徒歩数分の工場前には千人単位の長蛇の列。新型インフルエンザのリスクと激安セールを一瞬天秤にかけてしまいましたが、結局その場の雰囲気に圧倒され、押しのけ押しのけられつつ、ためつすがめつ1時間半あまり品定めすることになりました。
 その帰りに寄ったのが、駅前の「喫茶ふうりん」。日光街道に面する入口のひさしは新しいのですが、駅に面した入口(現在は使われていない)のほうには、傾きかけた看板が掛かっていて、多少あやしげでした。
 店の外の所々に描かれたネコのイラストから、ネコ喫茶だとあたりをつけて入ったら、やはり「超」のつくくらいのネコ喫茶。店内にはネコのイラストがあちこちに貼られています。そして、芳香剤を置いていても香ってくるネコのにおい。店の奥で、ちりん、という鈴の音がして、黒ネコが横切っていきました。
 「これはまずかったかなー」と思って、連れの顔をうかがうと、意外に好反応でした。そう、彼女はネコを飼っているのです。店のおばさんに近づき、ネコちゃん、触らせてもらっていいですか、と積極的に尋ねています。
 ネコ好き同志が2人揃えば、もう会話は止まりません。店にいる4匹のネコは、みな捨てネコで怪我をしていたのを助けたのだとか。最も存在感のある黒ネコは「モカちん」と呼ばれ、人懐っこい性格でした。
 近所は犬を飼っている家が多く、なかなかネコに理解がない、と嘆くおばさん。理想は、島を買ってネコを飼う(!)ことだそうです。

コーヒー 450円(+税)
足立区千住橋戸町
※日曜定休のようです。
※店のおばさんによると、靴工場(リーガル)は来年移転するので、今年が最後のセールになるらしいとのこと。工場も数年前からリストラがあったそうです。
 「最近は重い革靴なんか、流行らないでしょ。昔はセールでもっとしっかりした靴が売られていたのに、最近は他社製品も扱っているので、質が落ちてしまったように思う。遠くから来た人はお気の毒ね」
 その後、北千住の商店街を歩いていたら、「靴のセールいつまで?」と急に通りすがりの買い物客に話しかけられました。ロゴなどついていない買い物袋なのに。地元の人にはおなじみのセールなんだなあと実感しました。

※既に閉店し、現在は赤い提灯がつるされた中華料理店に変わってしまっていました。確か、今年(2011年)の7月頃のことでした【2011.11】
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by matsutakekissa | 2009-11-16 22:16 | 枯れマツタケ | Trackback | Comments(0)  

喫茶 クラウン 蕨

 大宮に行く用事のあった時、路線図を見て前々から気になっていた、「蕨」という名前の駅で途中下車しました。
 期待に反して、駅前にはスーパーとチェーン店が建ち並ぶばかりの殺風景な光景が広がっていました。それでも、駅前からまっすぐ歩いて交差点の前には、大ハコの2階建て喫茶店がそびえたっていました。店の前には、ロウ細工のメニューが飾られたショーケースもあります。
 店の外からもシャンデリアの明かりが輝くのが見えます。2階へ続くのは螺旋階段。ぜひ、2階でお茶したいと思いましたが、残念ながら営業は1階のみ。それもそのはず、ゆったりとした茶色のイスが並ぶ1階ですら、先客はたった1名でした。
 シャンデリア風のシーリングライトと、オイルヒーターのような形状のパープル・カラーのパーテーションが独特な輝きを見せていました。すっぽり腰を下ろすと、視線が低くなって、他人の気配が感じられません。ほぼ貸切状態の広い店内がもてあまし気味なのをいいことに、少し長居をしてしまいました。


コーヒー 450円
埼玉県川口市芝新町
※日 休と思われます。夜9時迄。
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by matsutakekissa | 2009-11-13 00:59 | 旅編(東京都以外) | Trackback | Comments(0)  

あかね

 土曜営業。平日の昼間から喫茶店に行けるような身分ではないので、この言葉はとても魅力的です。しかし、都心の喫茶店の土曜営業はなぜかあいまい。店内に貼られた営業案内を信じて、あるいは店主から直接聞いて訪れたとしても、シャッターが降りている。タイミングが悪すぎるのか。それともついてないだけなのか。

 吉野通り沿いにある喫茶「あかね」も、土曜営業しているのを、過去にただ一度見たっきり。浅草から歩くこと15分強。空振りに終わり、所要時間30分を無駄にすること数回で、平日の朝に再チャレンジ。そこまでする自分がバカらしくなりましたが、これが己の欲深さ。
 通勤客が行きかう通りでしたが、店内に先客はいませんでした。店はタバコ店も併設し、タバコのみを買い求める客もいます。「いらっしゃいませ」。ややぶっきらぼうな言葉のママさん。モーニングセットを注文すると、ワンプレートにサラダと大手製パンメーカーよりひと回り小ぶりの大きさのトーストが載ってでてきました。
 改めて店内を見渡すと、カサつきのランタンみたいな白熱球の灯りが灯されていて、鳩時計の内部の振り子みたいなのが、壁に掛けられていました。壁にはママさんの肖像画らしき画が掛けられ、想像していたより、凝った内装の店内でした。
 軽食メニューの種類が豊富で、カレー、しょうが焼き、ハンバーグ、サーモンソテーの他、納豆ごはんという変り種も。ランチに納豆を付けられる「スタミナパック」というメニューもありました。
 来店時ではちょっとぶっきらぼうに見えたママさんも、なぜか帰り際は上機嫌。満面の笑みで「ありがとうございました」と声を掛けて下さいました。そのギャップに少々驚きつつも、それがなんだかくせになりそうでした。

コーヒー 350円
モーニングサービス 450円
台東区浅草
朝7時~夜7時 第二土曜と日祝 休(移動電光看板に記載されていたもの。土曜日の営業については、実際は何とも言えません)
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by matsutakekissa | 2009-11-11 12:57 | 台東区山 | Trackback | Comments(0)  

エデン

 なぜ、近畿・中京エリアには喫茶店が多いのだろう。喫茶店文化がある、と言われればそれまでなのですが、疑問です。喫茶店愛好家の客層・年齢層も幅広く、喫茶店は「ちょっとお茶しようか」的存在で、生活に溶け込んでいる印象があります。だから、初めての店でも敷居がそれほど高くない。
 1年半ほど前の連休中、和歌山市内から南紀エリアを旅しました。路線バスにて新宮に向かう途中、勝浦漁港近くの商店街を通りかかりました。車窓より古びた喫茶店の外観が目に入ったので、思わず下車してしまいました。後先も考えず・・・。
 「いざかたストリート」という駅前商店街の周囲300メートルには、なんと喫茶店が8軒もありました。ほぼ向かい合わせに建っている店もあり、なぜこんなにひしめきあっているのか、不思議に思いました。いくら、観光地への拠点となる駅とはいえ・・・。
 その8軒のうち、西洋の建物に似せて作られ、もっとも古そうな外観、「エデン」という店に入りました。店内にはゆったりしたソファや店内入口近くに設けられた手洗い用の洗面台がありましたが、外観よりは新しい印象を受けました。キャビネットの中には日本各地のお土産品が、やや無造作に並んでいます。
 旅の前に旅行雑誌「るるぶ」で読んだ、和歌山のご当地メニュー、「カルコーク」(カルピスとコーラを混ぜたドリンク)もありましたが、挑戦することなくブレンドを注文してしまいました(家でも作れそうなメニューとは言え、トライしなかったのは、まずかったな、と後悔)。また、TV中継中のデーゲームは阪神戦で、土地柄を感じました。

コーヒー 400円
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地

  
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by matsutakekissa | 2009-11-07 22:50 | 旅編(東京都以外) | Trackback | Comments(2)  

喫茶 カルダン 森下

 高橋の商店街の外れ。緑色の外壁の古いマンション1階に、白い壁に大きな窓が特徴的な喫茶店がありました。
 土曜日の午前中、朝と昼のあいだの微妙な時間帯。常連客がモーニングを食べて帰った後なのか、卵を焼いた匂いがただよっています。
 店のママが奥の席に座り、ビーズのようなもので手作りキットを作成中でした。なんだか友人の家のお母さんみたいだな。
 窓から差し込む光がまぶしく、屋内の明かりがいらないくらいでした。店の古さとは不釣合いなフラットテレビが大音量でつけてあり、その側にはなかなか立派な金魚が泳ぐ水槽がありました。
 帰り際、「何を作っていらっしゃるんですか」と聞いてみたのですが、突然現れた客がなれなれしい質問をしてきたのに驚いたのか、その問いには答えず、ちょっと照れながら「なかなか進まないんだけどね」とおっしゃっていました。

コーヒー 350円
江東区森下3丁目
※日祝 休

 
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by matsutakekissa | 2009-11-07 01:25 | 江東区山 | Trackback | Comments(0)