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バイオレット

まるで、都会の片隅に咲く一輪の花のように可憐な店名の喫茶店は、新橋の路地にありました。
 朝が遅いらしくなかなか訪れる機会がなかったのですが、ある日時間の都合をつけて尋ねると、おばさんが一人でやっているお店でした。店内は外から見えず薄暗い感じでしたが、おばさんは明るい方でした。NHKニュースに茶々を入れたり、「うちはスポーツ紙取ってないけど、普通のでよかったら見る?」とか、世話を焼いてくれ、休日にお店の前を通って入ろうと思ってきた、と告げると、「やだ~、恥ずかしい」といわれました。お店はおばさんのお父さんの代からやっているそうです(昭和36年とか)。
 そこへ近所のおばあちゃんが来店。何かおばさんに渡すものがあったようです。足を痛めていておばさんに、病院行ってきたらと言われるも、「行きたくないよ」と顔をしかめて出て行きました。「心配なのよね。本人は病院に行ったら足以外にも悪いところをいろいろ言われるんじゃないかと不安なのよね」とおばさん。
 オフィス街と変貌を遂げた新橋で、貴重なご近所づきあいの一幕を垣間見てきました。

コーヒー 450円
港区新橋1丁目
朝10時過ぎ?~夕方6時頃 土日祝 休
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by matsutakekissa | 2008-07-30 21:48 | 港区山 | Trackback | Comments(0)  

スメル

 浅草橋近辺は居酒屋が多く、高架下あたりは雑多な雰囲気が漂っています。南には住宅街がある一方、北には繊維街が続き、オフィスも多く、独特の構成です。
 駅前にあった喫茶店「SMELL」の看板を見て、思わず「なんじゃこりゃ」という違和感を感じました。意味は「におい」ですが、確か高校時代の英語の授業では、「匂い」ではなく「臭い」のほうだと教わったような。それに、コーヒーの香りなら、「アロマ」を使うべきだろうに。
 しかし、そんなへりくつ言わなくても、この店の外観、特に入り口のガラス戸に浮かぶコーヒーカップのシルエット、Smellという店のロゴは、「何だか入らずにおれないにおい」をかもし出しています。
 扉を開けると、土砂降りの雨の朝にもかかわらず、出社前のひと時を楽しむサラリーマンでいっぱいでした。カウンターでモーニングを注文すると、おばちゃんがドン、ドンと砂糖入れや塩のビンを置いていきます。おじちゃんもいて、お二人は夫婦のようでしたが、おじちゃんはおばちゃんに何か小言を言われております。
 サラリーマンの集団が帰るのに合わせ、自分も帰ろうとしたら、おばちゃんが集団に向かい「傘、間違えないでね」。すると一人が「みんな会社が同じだから間違えたって大丈夫だよ」。なんと。業務時間外でしかも朝からみなさんご一緒とは、本当に仲がいいんですね。

モーニング 400円(トースト、卵付)
台東区浅草橋4丁目
朝7時頃?~夕方5時か6時頃 土日祝 休
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by matsutakekissa | 2008-07-30 12:45 | 台東区山 | Trackback | Comments(0)  

ドリアン

 新橋は駅前のニュー新橋ビルも含め、喫茶店の多い「山」なんですが、残念ながら朝早くからやっている駅前近辺の店は意外と少なかったりします。
 新橋から大門方向へ歩いて15分くらいのところにも商店街があり、何軒か喫茶店がありまして、「ドリアン」はその中の一軒です。入り口のガラス戸にはレースのカーテンがかかっていました。中には茶色のビニール革の椅子が置かれ、木製のメニュー板もかかっていて、いかにも旧い喫茶店の趣です。
 それにしてもすごいインパクトの店名。インパクトだけで名付けたのでしょうか。
 朝からやっている喫茶店の多くはNHKニュースであることが多いのですが、、こちらはTBS「朝ズバッ!」でした。訪れた朝はガラガラでしたが、ランチもやっているので昼には混むのかもしれません。

朝7時半か8時頃~夕方5時頃? (「土曜も大体やっています」マスター談) 日祝 休
港区新橋5丁目
モーニング 500円 (コーヒー、トースト付)

   
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by matsutakekissa | 2008-07-29 12:54 | 港区山 | Trackback | Comments(0)  

珈琲茶館 三つ扇

 街の奇跡と言ってもいいかもしれません。東京駅からほど近い八重洲にこんな喫茶があるとは思いもよりませんでした。
 入り口に置いてある、コーヒーについてのドイツの格言「恋のように甘く、海のように黒く、炎のように熱い」という立て札から、さぞかしコーヒーにうるさいマスターがやっているのかと思いましたが、経営しているのはおばあちゃんでした。
 コーヒーにはこだわりがあるようで、ブレンドには豆の配合率が書いてあり、注文を受けると缶から挽いたコーヒーを取り出してブレンドして淹れてくれます。「小さな喫茶室」と看板にあるとおり、15席ほどの小さなお店ですが、しばし慌しい時を忘れてしまうような落ち着く空間でした。ちなみにおばあちゃんはお喋り好きのようなので、ゆっくり話を聞きにいくのがよいかもしれません。
朝11時頃~夜8時頃 木・土日祝 休(臨時休業も時々あり)
中央区八重洲1丁目

※「当分の間お休みさせていただきます」といったような内容の貼り紙が貼られています(2010年8月)
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by matsutakekissa | 2008-07-28 12:44 | 中央区山 | Trackback | Comments(0)  

オンリー

 「東京下町巡り」と題し、時に三ノ輪、南千住辺りが取り上げられることもありますが、街歩きというのは、どこもノーテンキな気分でカメラ片手にぶらつける所ではないと思うのです。この辺り、土地勘のない部外者が1人で歩き回ることを薦めませんが、思わず紹介したくなる店に出会ってしまいました。
 ある晴れた祝日の昼間、三ノ輪から南千住方面に歩いていたところ、あまりにかわいらしい外観と「魔性の味」のコーヒーというコピーに惹かれ、思わず入ってしまいました。
 暑い日だったので、思わずレモネードを頼んで後から後悔してしまいました。コーヒーはサイフォンでたてているようです。壁のストライプ模様、果実のような丸い照明などは、きっと乙女心をくすぐられるとは思いますが、やっぱり訪れるときは気をつけてほしいなあと思ったのでありました。

コーヒー 400円 ビッグカップコーヒー 450円 モーニング 450円~
荒川区南千住5丁目
日 休


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by matsutakekissa | 2008-07-28 12:20 | 荒川区山 | Trackback | Comments(0)  

パーラー はまの屋

 有楽町の賑やかな通りとは反対、日比谷方面出口前辺りのビル地下街にある「パーラーはまの屋」は、駅前なのに、意外と人通りが少なく、人混みを避けたい方にはおすすめです。駅からほど近い立地にしては意外とリーズナブルな料金で、パフェやらフルーツサンドが楽しめました。
 マスターが銀のお盆にコーヒーを乗せて出て行きます。コーヒーの出前でしょうか。なかなか最近では見られなくなった貴重な風景だと感じました。
 周辺のテナントはクッキングスクールなど、時代を反映してか、全体的に大きく入れ替わっている印象を受けました。ここはいつからあるのか分かりませんでしたが、今の日本人の体格では少々小ぶりな椅子やテーブルが店の歴史を感じさせます。
※先月、数年ぶりに来店すると、心なしか以前より女性客が増えた印象を受けました。空きテナントが相変わらず目立ちましたが、店は近隣の勤め人の方々を中心として、贔屓にされている印象を受けました。こぼれるほど具が詰まったサンドゥイッチ(←メニューの表記です)も、相変わらずでした。

コーヒー 380円
千代田区有楽町1丁目
土曜日は昼過ぎまで、日祝 休

※昨年訪れてみたところ、すでに閉店して久しい様子でした。後に有楽町に関した本を読んでわかったことですが、こちらの店は元々「日比谷パークビル」内にあったようです。ビルは2004年頃に取り壊され、2007年には跡地にペニンシュラホテル東京が開業しました。
日比谷パークビルは、近隣にあった三信ビルと同じく潜函工法で建てられたそうです。確か、海に近く、土壌がしっかりしていなかったため、特殊工法で建てられたとか(記憶がややあいまい)。戦後、このビルをGHQの関係者が利用していたことから、ビルのテナントも米国らしい店が多かったそうです。はまの屋のメニューは日本語と英語の両方が表記されていました。その時からの名残りだったのかなあと思います。【2011年か2010年に閉店したもようです】

その後、2012年春頃に営業しているのを見ました。食べログや個人ブログの掲載によると、経営者が変わって再出発したようです。いつか訪れようと思いつつ、時間ばかりが経っています。
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by matsutakekissa | 2008-07-26 13:25 | 千代田区山 | Trackback | Comments(0)  

珈琲専門店 ダイム

 周辺には東京タワー、芝公園、増上寺。六本木や虎ノ門もほど近いオフィス街は、どこもかしこも新しいビルに新しい店が次々とできています。しかしほんの一角、住宅が残り、生花店、クリーニング店などの店が並び、喫茶店も営業を続けていました。
 飴色に輝く木製の壁と流れるジャズ、店内奥には江戸の古地図があり、長い髪をひとつに結んだマスターが一人で店を続けています。「昔はよかったんだけど、今はさっぱりだよ」とマスター。店は始めてから35年ほど経つそうです。コーヒーを注文すると、瓶に入れた豆を挽くところから始めて下さいます。豆を取り出す時のチャラチャラという音がよい感じ。本格的珈琲が330円から飲めるというのも嬉しい限りです。

※CS放送 フジテレビ721『ゲームセンターCX』第9シーズン(#66、2008年7月23日放送)にて、ファミコンを題材にしたマンガを紹介するコーナーにて、ダイム店内が使用されていました。マスター役は本当のマスターとは全く違う役者さんが演じています。

コーヒー 330円から
港区虎ノ門3丁目
朝7時半~夜7時 土日祝 休
※2010年内に閉店した模様です。既に閉店から時間が経過したのか、閉店の貼紙はなく、店の前には板が打ち付けられていました【2011.3】
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by matsutakekissa | 2008-07-26 13:00 | 枯れマツタケ | Trackback | Comments(0)  

ロフト

 昨日は一晩中降り続いていた雨がカラリと止み、陽射しがまぶしく照りつける、店に入ったのは、そんなすがすがしい朝でした。神田駅周辺はよく歩いていたのにこんな喫茶があるとは、改めて神田周辺の喫茶店の多さを感じました。
 会社へ向かうサラリーマンも結構通るのです。が、ロフトには目もくれず社に向かうサラリーマンばかり。斜め向かいにはドトール。店内には男性サラリーマンが一人。すいている喫茶店は慌しくなくていいけれど、厳しい営業状況です。
 モーニングを注文すると、なんとバター供給最悪、パンの物価上昇中のこのご時勢で(2008年4月)、バターたっぷりの厚焼きトーストが出てきました。マスターやけっぱちか、と思いましたが、単品のトーストメニューには「バターたっぷり」と表記されていたのです。メニューとして貼り出されていた手作りケーキも食べてみたいですが、未だに実現していません。
※再来店時の印象 窓が色つきガラスのため、遠目に見ると営業しているのかしてないのかよく分かりませんが、店内は常連のお客にてほどほどの入りでした。常連客とマスターは世間話に興じていますが、独特の濃密な空気ではなく、ゆるい雰囲気です。店内から窓の外を眺めると、植栽の緑が美しく感じられました。

コーヒー 390円 モーニング(トースト、卵付き) 450円(2008年4月)
価格改定後 コーヒー(ブレンド・アメリカン) 400円(モーニングサービス時は370円) モーニングセット(トースト、ゆで卵、ブレンドorアメリカン) 480円 自家製ケーキセット(コーヒーor紅茶orミルク付) 630円(2009年7月)
千代田区内神田3丁目
営業時間 平日 7時半~18時半 土曜 8時~13時 日祝 休
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by matsutakekissa | 2008-07-25 23:58 | 千代田区山 | Trackback | Comments(0)  

エルマーナ

 神田は出世不動通りを突き抜け、大通りを渡ってまだ数ブロック進んだ路地に佇む、店の2階が住居の神田っ子が営む喫茶店。入口には犬小屋があり、ビーグル犬が飼われています。
 平日朝8時。開店時刻を見計らってやってきたのは近所のネコ好きおばちゃんと、スポーツ紙を読みに来たおじさん。おばちゃんはネコの体調について語った後、何も注文せずに店を去り、おじさんも新聞読んでテレビを見ながら世間話に花を咲かせています。
 店内にはおばさんが2人とおじさんが1人。おばさん2人は安倍総理突然の辞職ニュース(来店したのは2007年9月)の連日放送に「もう飽きちゃったわよ~」とテレビに向かって野次を飛ばします。鬱な表情の総理と相変わらずにこやかな夫人が対象的なので、話題は夫人に移ってしまいました。「あの人もご主人が大変なのに何考えてるんだろうね。ウチは隠し事なんてできないよ。狭い家で川の字になって寝るんだもの」と一家言持ったセリフを口にしていました。

千代田区内神田1丁目
モーニング 450円
朝8時~夕方4時か5時 土日祝 休
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by matsutakekissa | 2008-07-25 23:55 | 千代田区山 | Trackback | Comments(0)  

古美術茶廊 伊万里

 秋葉原電気街のど真ん中にある喫茶店。周囲は見渡す限り、電化製品やゲーム関連商品販売のビルが立ち並ぶ中、この店の前だけは全く異なる空気が流れていました。
 真夏の日射しが照りつけるところから、少し薄暗い店内へ入ると、そこは静寂を包むような別世界。古伊万里らしいカップ&ソーサーが並んでいます。鰻の寝床のような店内は奥行きがあり、一番奥は小上がりになっているようです。
 後に残ったのは近所に住む常連と見られるお客。おばあちゃんがお湯につけて暖めたカップを取り出しコーヒーを入れてくれました。お品書きはは小さい扇子に書いてあり、「昌平小学校(閉校)の先生が書いたのよ」店の女性が秋葉原の変貌を嘆いているようでした。常連のサラリーマンには愛想がよい店の女性も、一見客には声色を変えて応対していました。物見遊山の客が多く訪れて「またか」と思ったのでしょう。

※2008年6月、秋葉原で起こった事件のことをおばあちゃんはどう考えているのか、非常に気になるところでありました。

コーヒー 360円
千代田区外神田3丁目
日 休
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by matsutakekissa | 2008-07-25 22:52 | 千代田区山 | Trackback | Comments(0)