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カテゴリ:江東区山( 6 )

 

マウンテン

 活気ある大きな商店街内には、意外に喫茶店が少ないような気がします。生鮮食品に生活必需品などの店の数は充実していても、その数に比例しているというわけではなさそうです。昔はもっとあったけど、淘汰されてしまったのか、それとも、お買い得な買物の後は、どこにも立ち寄らずにまっすぐ帰ってしまうのか。
 そんなわけで、商店街は栄えていようがいまいが、いい喫茶店があるかどうかにはあんまり関係がない。ただそれが言いたかっただけなのです。

 この日は東大島駅から大通り沿いに南下し、ひたすら歩きました。目的地は東砂にある末広商店街です。都営住宅群を抜けてしばらく歩くと、ようやく商店街の入り口にたどり着きました。
 お昼すぎという中途半端な時間帯のせいか静かで、中ほどにはマーケットもありました。ここは昔からある商店街のようです。このような住宅街の真ん中にある商店街は、駅前から発展した商店街と比べチェーン店は少なく、ローカルな雰囲気が漂います。
 歩いて行くと、店先に人形焼をならべたテーブルを置いた接骨院がありました。副業として売っているのかと思ったら、人形焼はメーカー商品を販売しているのではなく、自家製でした。店の裏手には人形焼の店舗がありましたが、人の気配がありません。どうやら焼き上げた後は表で販売しているようです。
人形焼は餡入りと餡なしがあり、なしの方を一袋買いました。11個で200円と、観光地で買うのよりずいぶん安い。屋号は江東屋とあります。後日ネット検索してみると、近所では知られた存在らしく、いくつも紹介サイトが登場しました。
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 そろそろ引き返そうかと思った時、喫茶店の看板がありました。マウンテン=山。良い名前だ。反射的にドアを開けると、店内はほぼ満席状態で、1席だけ空いていたカウンター目の前の席に座りました。
 ランチを取りにきたお客さんが多いらしく、店内にはいいにおいが漂っています。まだお昼を食べていなかったことを思い出し、自分もピラフとコーヒーのセットを注文しました。

食後のティータイムの話に花が咲き、賑わう人々。良い雰囲気が流れていました。おもしろくもくだらない会話の応酬が続き、それを聞きながらぼんやりと食事をしていました。完全によそ者で、周りは知らない人ばかりなのに、不思議と居心地はわるくない感じです。コーシーという発音も、久しぶりに耳にしました。
 それに、店主のびっくりするような発言もあったのです。世間話から地元の話題になった時、「砂町あたりはあまりいい町じゃないね。けっこう保守的だから、私みたいなよそ者はなかなかなじめない」という主旨の内容でした。
 お客さんはもちろんのこと、お店の方もてっきり地元出身だと思っていました。結局、東京だろうとどこだろうと、ムラ意識というのは必ず存在し、近づこうとすると見えない壁が立ちはだかること、自分も経験してきたからです。共感を覚え、心の中で相づちを打ちました。
 しかし、それと同時に、ちょっと不安になりました。でも常連さんの中では反論する方はおらず、場が冷めることもなく、誰かが「私はずっとここに住んでいるからね、わからないよ」と言っただけでした。
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 一定の時間が経ったのか、気が付くと一人、二人と帰っていき、とうとう、店主の方と自分とふたりきりになりました。いい機会のはずだと思って、店の方に話しかけたものの、この日の自分はあと一歩の勢いがなく、かえってうさんくささを与えてしまいます。
 「でも、どうして喫茶店なの? どんな店でもかまわないの?」と本質を問いかけられ、しどろもどろに答えながら思いました。本当に必要性があると信じて、これを続けているのかな、と。
 なんとか主旨を分かっていただいた後に聞いた言葉は、新しい内容ではなかったのですが、心に重く残りました。
 「さっきも言ったけど、この町はとても保守的なところがあります。でも、みなさん、それぞれ悩みを抱えていて、それを共有してて。ここへ来たお客さんは、たとえ初めてでも落ち着くっていうんですよ。25年やっててよかったのは、そういうところかな」
 聞くまでもなく、雰囲気からそういうものを感じ取ってはいたのだけど、それを言葉で聞けてよかったなあ。

江東区東砂4丁目
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by matsutakekissa | 2011-11-18 22:05 | 江東区山 | Trackback | Comments(0)  

みどりや

 今年10大ニュースが各テレビ局で流れる年の瀬ですが、自分自身で振り返ってみれば、とにかく暑い、暑い年でした。熱中症を起こしそうな猛暑のある日に訪れたあの店が、今では印象深く思い出されます。

 清洲橋通り沿いにある喫茶店。店の前には「生ジュースとホットドッグ」と書かれた丸い看板がありました。
 以前訪れたのは、ちょうど2年前でした。4年に1度の深川八幡祭りが近いので、店の人と常連客はそのことについて話していました。北京オリンピックも開催中でしたが、TV中継を見る人間が誰もいないので、競馬中継に変えてしまっていたっけ。

 この日も、あの時と同じようによく晴れた日でした。くらくらするような暑さのなか歩き続けたので、へたりこむようにして椅子に座ってしまいました。今日は生ジュースを頼むつもりでしたが、メニューを見ると、種類はレモンとオレンジとミックスの3種類のみ、その他のメニューもドリンクとパン類のみのシンプルな構成でした。
 ひとつ気になったのが、オロナミンCというメニューでした。確かに、カウンターにはオロナミンCが冷やされた小さな冷蔵庫があります。オロナミンCって、喫茶店のような場所で、じっくり味わうものかなあ。どっちかというと、自販機の前でゴクゴク飲む姿が似合う飲み物ではなかったっけ?

 しばらくすると、カウンターのおばさんがおじいさんに「リポビタン飲む?」と言いながら、瓶の中身をグラスに中身を移し、氷を入れて出していました。グラスに移すと黄色の液体がきれいで、想像より違和感を覚えませんでした。
 そういえば、確かコカ・コーラも当初は「薬」として米国で販売されていたのではなかったか? それに、こんなに暑い毎日では、炭酸より栄養ドリンクの方が身体にはよいのかもしれないな、と自分を納得させて店を出たのでした。

コーヒー 300円 生ジュース 400円 オロナミンC 300円
江東区扇橋1丁目
日曜はお休みのようです。
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by matsutakekissa | 2010-12-29 10:34 | 江東区山 | Trackback | Comments(0)  

喫茶 カルダン 森下

 高橋の商店街の外れ。緑色の外壁の古いマンション1階に、白い壁に大きな窓が特徴的な喫茶店がありました。
 土曜日の午前中、朝と昼のあいだの微妙な時間帯。常連客がモーニングを食べて帰った後なのか、卵を焼いた匂いがただよっています。
 店のママが奥の席に座り、ビーズのようなもので手作りキットを作成中でした。なんだか友人の家のお母さんみたいだな。
 窓から差し込む光がまぶしく、屋内の明かりがいらないくらいでした。店の古さとは不釣合いなフラットテレビが大音量でつけてあり、その側にはなかなか立派な金魚が泳ぐ水槽がありました。
 帰り際、「何を作っていらっしゃるんですか」と聞いてみたのですが、突然現れた客がなれなれしい質問をしてきたのに驚いたのか、その問いには答えず、ちょっと照れながら「なかなか進まないんだけどね」とおっしゃっていました。

コーヒー 350円
江東区森下3丁目
※日祝 休

 
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by matsutakekissa | 2009-11-07 01:25 | 江東区山 | Trackback | Comments(0)  

喫茶 つかはら 高橋

 江東区高橋の商店街は通称「のらくろーど」と呼ばれ、のらくろで町おこしを進めています。商店街では、のらくろのキャラクターがのぼりになったり、シャッターを飾ったり。のらくろグッズを扱う店もありました。
 高橋は「のらくろ」の作者、田河水泡氏が幼少期を過ごした町だそうで、江東区森下文化センターには田河氏の功績を残した資料コーナーがあります。
 商店街の入口付近には「つかはら」という喫茶店がありました。入口には「のろくろ喫茶店」という書名の本の表紙コピーが額に入れて飾ってあります。
 店内の壁は軽食、定食、おつまみメニューまでもりだくさん。昼を食べに来た近所の方が、店の人と談笑しています。大相撲の試合結果には手厳しい意見も出て、店の人は暴走モードの常連さんの言葉を慌ててフォロー。結局、店を出る時も賑やかな論議が続いていました。
 後でわかったことですが、店に表紙が飾ってあった「のろくろ喫茶店」、復刻版として20数年前に出版されたハードカバーは流通が少なく、かなり貴重らしいのです。古書店で何万も払っていられないので、とりあえず国会図書館で閲覧しました。
 読んでの感想は、マスター修行時代ののろくろがひど過ぎることでしょうか。「こんな店、誰が行くかッ!!」ってなると思う。全体的にドタバタコメディーなんだけど、それでも最後はすこしほろりとさせてくれました。
※帯広にその名も「のろくろ喫茶店」という喫茶店があるのだそうです。それもけっこう古い。偶然ネットで引っかかり知っただけなので、うれしい反面、こういう情報収集は間違っているなーと思います。人づてに知りたかったですね。

江東区高橋
営業時間、休業日は不明です。 
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by matsutakekissa | 2009-02-20 12:51 | 江東区山 | Trackback | Comments(6)  

サヴォイア

 都内住んでみたい区ランキングでは、上位に入ることが多い江東区。職住近接の生活がしたい人には便利な所ですが、年配の人になると、未だに「やっぱり川向こうだからね…」と言われることもあります。
 しかし、隅田川を越えると、がらりと雰囲気が変わるのは本当です。東京西部の吉祥寺のような街がなく、千葉から総武線に乗っていると、街に来たな、という実感は秋葉原くらいから。やはり都会と郊外の境界線は、今も隅田川なのかもしれません。
 錦糸町・亀戸あたりまで来ると、古い喫茶店が分かりやすい立地になります。サヴォイアもまさにそういう店でした。けだるそうな感じのご主人がいて、ゆったりしたソファとテーブルが並んでいます。偽のステンドグラスも健在です。

コーヒー 400円
江東区亀戸3丁目
定休日不明 
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by matsutakekissa | 2008-09-12 21:42 | 江東区山 | Trackback | Comments(0)  

キャット

 亀戸駅北口の商店街へと続く細い裏通りは夜の店が多く、昼間でも何となく湿気た雰囲気でした。しかし駅へと通じる便利な近道だからか、人通りはそこそこあります。そそくさと通り過ぎようとすると出口付近に「喫茶 キャット」の文字。
 看板には「スパゲティ コーヒー」、そして黒いマジックミラーのようなドア。まるでスナックの
ような外観でした。
 店内は薄暗く、ゆったり座れるソファもなんとなくスナックのようでしたが、常連のあけっぴろげな会話がそれをかき消すような雰囲気になっていました。
 スパゲッティーは、メニューにただ、スパゲッティーと書いてあるのみ。注文すると、ジャッ、ジャッと炒める音がしてケチャップで炒めたやつが登場しました。
 店を出ると看板のそばに本物のネコがいて、近寄るとあわてて逃げていきました。

スパゲティ 500円
江東区亀戸5丁目
営業時間、定休日は不明
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by matsutakekissa | 2008-08-22 22:45 | 江東区山 | Trackback | Comments(2)