幻の喫茶店 えびはら 秋葉原

 秋葉原にあった風変わりな喫茶店。電器店、ソフト店などがひしめきあう裏通りで完全に時代から取り残され、喧騒の中を歩くほとんどの人々は店があることさえ気づかずに通り過ぎていきます。
 喫茶店だというのに店の前にはコカ・コーラの自販機が2台。そのため自分もとうに閉店した廃屋だと思っていたら、ある方(おそらく男性の方だったと思います)のブログかサイトを拝見しました。営業は昼のわずか2、3時間で、土日祝お休み。ご主人は「もうそろそろ潮時かな・・・」とつぶやいていたそうです。
 それから時間をみつけては、昼に秋葉原に通いました。しかし、12時になってもいっこうに開く気配はなく、タイムアウトで社に戻ること2回。だめもとで訪れた3回目、12時45分すぎに、とうとう「準備中」だった札が「営業中」に変わりました!
 ご主人は「コーヒーくらいしかありませんが」といいました。店内の入口近くの席は、缶コーヒーや清涼飲料水の箱で埋まり、カレンダーはその年の3月でとまっていました。雑誌から切り抜いたような女優やオードリー・ヘップバーンの写真が壁を飾ります。b0158023_21502451.jpgb0158023_21504060.jpg
 店のテレビだけが新しいフラット型です。大相撲夏巡業の様子と、楳図かずおの邸宅景観問題のニュースが流れていました。力士に抱え上げられ、泣き出す子どものシーンで、突然ガハハハと笑い出すおじさん。
 店を去るとき、わざわざ入口まで見送ってくれました。「よろしければまたきてください。ありがとうございました」
 時間が時間だけに、なかなか訪れることが叶わず、これが最初で最後の来店でした。あれから一年。あの店で観たニュースの問題はちっとも解決していませんが、店は昨年12月に店をたたみ、取り壊され跡形もなくなりました。

コーヒー 320円
千代田区秋葉原(料亭 赤津加の斜め向かいでした)
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by matsutakekissa | 2008-10-02 21:52 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)  

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