トリコロール

 GINZA 5(銀座ファイブ)地下1階の片隅にあるコーヒースタンド。銀座松坂屋の裏手にあるトリコロール本店の支店です。新しくも古くもない、ごく普通の外観の店です。でも、ずっと前から気になってはいました。中がまる見えのコーヒースタンドでは、マスターもお客も動作の一つひとつがスマートに見えて、なんだかあこがれます。でも、あぁいう場所が似合うオトナにはまだまだ早いと、これまでは前を通り過ぎてばかりでした。
 ひさびさに通りかかると、カウンター10席ほどの小さな店内はお客さんが4、5人入ってほぼ満員。そのほとんどが常連らしく、店内は話がはずんでおりました。そのほとんどが年配の方ばかり。「今なら少しくらいスマートでなくても紛れ込めるだろうか」

 時間を少しずらして訪れてみると、お客さんは少し減ったものの、まだひっきりなしに、入れ替わり訪れています。そんな状態ですから、少しお歳を召したマスターは、動きがとてもきびきびしていました。ペーパードリップに注がれるポットのお湯はすばやく上下運動され、見る間に下のサーバーにたまっていきます。カウンター内の中央には木桶に入った氷が置いてあり、新しい客が来るたび、お冷用の氷をアイスピックで砕いています。
 ところが、世間話で盛り上がっていた店内も、自分が来たことで店の空気や流れを変えてしまったのか、潮が引くようにお客は1人減り、2人減りして、そのうえマスターも急に何かを思い出したように「あっ」と声をあげて、店を出て行ってしまい、自分だけが取り残されました。
 ほどなく、新しいお客さんがやってきました。マスターのいないのを見て、ちょっと困った顔。思わず目が合いました。
 「(マスターは)いいお歳なんだから、どこかで倒れでもしたら困っちゃうわ」と話しかけながら、戻りを待つことにしたようです。「今どき、コーヒーをちゃんとたててくれる店なんてなかなかないわよね」この店は40年くらいやっていて、マスターはもともと高島屋か三越だかのトリコロールのコーヒースタンドで働いていたのだとか。「当時は喫茶店があんまりなかったし、マスターの仕事は新しくてしゃれた職業だったのよ」ここの店は改装して少し広くなったそうですが、昔は今より狭かったにもかかわらず、人を1人雇うくらい忙しかったのだとか。「私、企画宣伝部みたいだけど、また、近くに寄ったら店に来て見てね」
 そうこう話しているうちに、マスターが戻ってきました。長年のおなじみさんらしく、マスターとのやりとりも丁々発止、聞いていて小気味がよかったです。
 コーヒーもトーストもおいしかったけれど、それ以上に何か心が満たされる処でした。

コーヒー 350円 コーヒー+トースト、ホットドッグなどのサービスセット 450円
中央区銀座5丁目
確か朝平日朝7時~夕方6時か7時ごろまでの営業だったと思います
土日も営業しているそうですが、朝は10時から
※銀座ファイブのHPにお店の紹介があります
www.ginzafive.com/
※2在りし日のトリコロールのコーヒースタンドの写真がどこかになかったかと『建築写真文庫【再編】』をめくってみたら、有楽町フードセンター(現・銀座INZ)の「銀座トリコロール」と数寄屋橋ショッピングセンターの「トリコロール」がありました。数寄屋橋ショッピングセンター(現・銀座ファイブ)の方の写真には現在と同じカーブしたカウンターと目隠し用の衝立が写りこんでいましたが、エスプレッソ用マシンが置いてあるのが大きな違いでした。で、肝心の三越だか高島屋だかのデパ地下(地下じゃないかも)の支店は載っておりませんでした。あと、「銀座トリコロール」と「トリコロール」の違いも何か気になる・・・。本家と暖簾わけで店名が違っているのかな?ちなみに仙台市内にも「トリコロール」という喫茶店がありますね。これは東京・銀座のトリコロールの支店なんだろうか?
※3【註:憶測です】結局、全国展開している「トリコロール」とは、キーコーヒーグループ事業のひとつのようです。「銀座トリコロール」とチェーンの「トリコロール」の間の関係はよくわかりませんが、過去には関係があったものの、現在、経営は別々だと思われます。全くうらをとっていない憶測です。
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by matsutakekissa | 2011-05-26 12:23 | 中央区山 | Trackback | Comments(0)  

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