あのビル、あの店の思い出 3

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 2007年3月30日(金)。とうとう三信ビルの解体が間近に迫り、「ニュー・ワールド・サービス」も閉店を迎えることになりました。実は前年の3月末日で閉店したものだと思い込んでいたのですが、閉店の1ヵ月ほど前、「東京ソトアサ日記~東京で朝食を」ブログで店が現在まで平日のみの営業を続けていたことを知りました(ブログ管理者様、その節はありがとうございました)。
 うれしさと無念さは半々でした。例え営業を続けているにしろ、もう以前の、のんびりした店の雰囲気は失われているからです。閉店を知り沢山の人たちが押し寄せているらしいので、自分のような客は迷惑でしょう。1年前ですら、夕方の時間帯にはハンバーガーはもとよりごはんが売り切れてしまったりしていて、店はいつもより別れを惜しむ人たちで混み合っていました。行列ができていて、中に入れないことも考えられました。
 それでも、最後にひとめ店の姿を見てみたい。心を決めて、店を訪れました。
 最後の日、10時過ぎ。店はそこそこ人が入っていたものの、雰囲気が落ち着いていたのは、混雑する昼や夜の時間帯を避けた常連の方たちが多かったためでしょうか。常連客に、ウエイターのおばさんは「また、(閉店記事が)新聞に載っちゃってね」「並んじゃっていつものお客さんが入れない」と半ばこぼすように話していました。
 「店内や店の外、写真に撮った?」「うん。あれ(「テナントの迷惑になるので、撮影はご遠慮下さい」という管理・所有者が作成した貼紙)剥がしちゃおうかと思ったよー」「うちは全く気にしないのにね」
 混雑で店が忙しいのを遠慮してか、多くの客はなごりを惜しみながらも、そそくさと席を立っていきました。その一方、自分のような噂を聞きつけてやってきた一見客も多く、皆、一様に携帯カメラでシャッターを切る音が時折響きました。
 常連客は「長い間お疲れさまでした。ごちそうさま」「ありがとうございます」「お元気で」という言葉を残し、店を去っていきます。「今日で最後ですからね」とおばさんは笑顔で残念そうに何度も繰り返していていました。
 帰り際に2階へ上がっていくオーナーをちらりと目にしました。そして、代わりにレジに立ったのは、オーナーの娘さんらしき方でした。
 常連ではなかったし、この日はどっちかというと傍迷惑な客だったので、「ありがとうございました」とはとても言えなかったけど、心の中でありがとう、さようなら、とつぶやいて、ビルを後にしました。
(おわり)
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by matsutakekissa | 2009-09-19 18:33 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)  

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